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2月20日(金)音楽史研究会「18世紀フランス宮廷における舞曲様式と新たな楽器の導入
——ハーディ・ガーディの受容過程を手がかりに」
木村遥氏(成城大学、日本学術振興会特別研究員PD)
2月20日(金)18時15分頃より
豊島区民センター5階 会議室505 会場資料費500円
https://toshima-civic-center.jp/access/
18世紀フランスにおいて、舞踊と舞曲は実践のうえで密接に結びつき、その関係性は広く共有されていた。舞曲は、拍、フレーズ構造、反復、終止などの音楽的特徴を通じて、舞踊の身体運動と対応する様式を備えていたのである。こうした状況のもとで、宮廷音楽に新たに導入され、「舞曲の演奏に適した楽器」と評価されたのが、もともとは農民などに演奏されていたハーディ・ガーディであった。
ハーディ・ガーディが宮廷音楽に取り入れられるにあたり、舞曲の演奏と結びつけて理解されていたことは、18世紀中に出版された5冊の教本の内容と、同時期にパリで作曲されたこの楽器のための作品の多くが舞曲であることに裏付けられる。しかし注目すべきは、この楽器が宮廷音楽に取り入れられ、舞曲の演奏に用いられるようになった時点で、すでにヴァイオリンやクラヴサンといった、いわゆる宮廷楽器を念頭に置いた舞曲のレパートリーおよび演奏慣習が確立しつつあった点である。すなわち舞曲の様式はハーディ・ガーディが宮廷に取り入れられる前に形成されており、この楽器は既存の舞曲の様式に適う「後発の楽器」として、楽器構造の改良や演奏上の工夫が施されたのだと考えられる。
本発表の中心的な問いは、舞曲がすでに定型を獲得しつつあった18世紀のフランスにおいて、後から宮廷に取り入れられたハーディ・ガーディがいかに位置付けられ、用いられたのかという点にある。とりわけ興味深いのは、旋律、ドローン、リズムという複数の役割を、ハーディ・ガーディは一台で同時に担うことができた点である。そこで本発表では、従来の宮廷楽器を前提として自明のものとされていた舞曲の音楽的要素の実現が、この楽器ではどのような調整や工夫を要したのかに着目する。分析に際しては、5冊のハーディ・ガーディ教本の内容および18世紀にパリで刊行された当該楽器のための舞曲を対象に、作曲家の肩書きや献呈先といった周辺情報とともに、拍、フレーズ構造、反復、終止といった音楽的特徴を検討する。これにより、ハーディ・ガーディが「舞曲に適した楽器」と説明される際に前提とされていた音楽的特徴や様式を明らかにすることができるだろう。舞曲の定型がすでに確立しつつあった時期に宮廷に取り入れられた当該楽器の受容過程は、舞曲において暗黙の了解とされてきた様式の前提を浮かび上がらせる手がかりとなるのである。
事前連絡の必要はありません。奮ってご参加ください。お問い合わせは当FBコメントでお願いします。(成城大学、日本学術振興会特別研究員PD)
2月20日(金)18時15分頃より
豊島区民センター5階 会議室505 会場資料費500円
https://toshima-civic-center.jp/access/
18世紀フランスにおいて、舞踊と舞曲は実践のうえで密接に結びつき、その関係性は広く共有されていた。舞曲は、拍、フレーズ構造、反復、終止などの音楽的特徴を通じて、舞踊の身体運動と対応する様式を備えていたのである。こうした状況のもとで、宮廷音楽に新たに導入され、「舞曲の演奏に適した楽器」と評価されたのが、もともとは農民などに演奏されていたハーディ・ガーディであった。
ハーディ・ガーディが宮廷音楽に取り入れられるにあたり、舞曲の演奏と結びつけて理解されていたことは、18世紀中に出版された5冊の教本の内容と、同時期にパリで作曲されたこの楽器のための作品の多くが舞曲であることに裏付けられる。しかし注目すべきは、この楽器が宮廷音楽に取り入れられ、舞曲の演奏に用いられるようになった時点で、すでにヴァイオリンやクラヴサンといった、いわゆる宮廷楽器を念頭に置いた舞曲のレパートリーおよび演奏慣習が確立しつつあった点である。すなわち舞曲の様式はハーディ・ガーディが宮廷に取り入れられる前に形成されており、この楽器は既存の舞曲の様式に適う「後発の楽器」として、楽器構造の改良や演奏上の工夫が施されたのだと考えられる。
本発表の中心的な問いは、舞曲がすでに定型を獲得しつつあった18世紀のフランスにおいて、後から宮廷に取り入れられたハーディ・ガーディがいかに位置付けられ、用いられたのかという点にある。とりわけ興味深いのは、旋律、ドローン、リズムという複数の役割を、ハーディ・ガーディは一台で同時に担うことができた点である。そこで本発表では、従来の宮廷楽器を前提として自明のものとされていた舞曲の音楽的要素の実現が、この楽器ではどのような調整や工夫を要したのかに着目する。分析に際しては、5冊のハーディ・ガーディ教本の内容および18世紀にパリで刊行された当該楽器のための舞曲を対象に、作曲家の肩書きや献呈先といった周辺情報とともに、拍、フレーズ構造、反復、終止といった音楽的特徴を検討する。これにより、ハーディ・ガーディが「舞曲に適した楽器」と説明される際に前提とされていた音楽的特徴や様式を明らかにすることができるだろう。舞曲の定型がすでに確立しつつあった時期に宮廷に取り入れられた当該楽器の受容過程は、舞曲において暗黙の了解とされてきた様式の前提を浮かび上がらせる手がかりとなるのである。
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